退職した社員から内容証明が・・・残業代の未払いに対するものでして
こんな問い合わせがりました・・・
Q、ある代理人弁護士から内容証明が送られてきました。
どうやら退職した社員がこの弁護士を通じて、未払い残業代を支払う内容のものです。
中身は、「2年分の残業未払い代金を請求する。2週間以内に雇用契約書、タイムカード、就業規則の書類提出を求める」内容でした。どのような対応がベストでしょうか。
A、会社側の対応によっては、労働審判の申立てや訴訟提起をされる可能性があることを考えながらの対応ということになります。相手も弁護士を立てて、覚悟の上で請求していますので。
ただ、いきなりこのようなことをする、ということは考えにくく、今までにかなり会社との間でもめ事や交渉があったのではないでしょうか。
退職社員側からの書類の要求について、会社が従業員に対し割増賃金の支払義務を負っていながらその支払いを怠っており、かつ、訴訟前の交渉で未払割増賃金に関する資料の提出を求められたにもかかわらず、労働審判が申し立てられるころまで資料を提出しないなど、割増賃金に関する会社の対応は必ずしも真摯とはいえないとして付加金の支払を命じた裁判例もあります。
また、労働審判や裁判となりますと、相手方からの請求に対して、雇用契約書やタイムカード、就業規則について提出しながら反論することもありますし、裁判所の指導により提出するよう強く求められることもあることからしますと、場合によっては請求に応じる場合もあるでしょう。
いずれにしても、書類の開示も含めた方針の決定には、労働審判や裁判を見通した専門的判断が必要となりますので、早急に弁護士に相談をすることです。
社労士の多くは士業に多く知り合いがおります。ご相談されるのが一番です。