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老齢年金と遺族年金は一緒にもらえますか?
Q、老齢厚生年金を受給している社員がいます。その方の奥様が亡くなられたそうで、遺族年金のことを聞かれました。この場合、遺族年金ももらえるのでしょうか?
A、少し難しいのですが、両方すべてもらえるわけではありません。
遺族厚生年金は、被保険者などの死亡時のほか、保険料納付済期間等が25年以上ある老齢厚生年金の受給権者などが死亡した際に支給されます。
対象者は、死亡した者に生計を維持されていた配偶者・子、父母、孫、祖父母です(厚年法59条)。妻以外は年齢などの要件もあります。子のない夫なら、受給権発生時に55歳以上であることが要件です(60歳に達するまで支給停止)。ご質問の場合も、年収850万円未満などの生計維持要件を満たせば受給可能となります。
原則の支給額は、死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です(法60条1項1号)。一方、死亡した者の配偶者で、65歳以上かつ老齢厚生年金等の受給権を有する場合は、①先述の原則額と、②原則額の3分の2+自身の老齢厚生年金の額の2分の1を比べ、いずれか高い方を遺族厚生年金の額とします(同項2号)。なお、実際には、自身の老齢厚生年金が優先的に支給され、その分の遺族厚生年金は支給停止となります。
詳しくは年金事務所などで聞かれるか、社労士などの専門家へ。