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厚生年金ハーフは不十分、「1.5号」と「2.5号」創設へ??

聞きなれない言葉が出てきています。
2024年は5年に一度の年金の見直しが行われる年です。大きなところでは①国民年金の被保険者の年齢が60→65歳へ延びます。②厚生年金の方も75歳まで繰り下げ年齢が伸びました。両方ともとても大きなことで、とにかく年金の支え手がどんどん少なくなってきていますので、何とか財源の確保が急務なところです。いずれの改正も財源確保のためです。
そして年末から盛んにCMでも出しています、「106万と130万の壁」問題です。
壁を超えて厚生年金や国民年金に加入いただくのはいいのですが、ここで少し問題になるのが、両者の支払額(保険料)と受給額(もらえる額)に違いが出てくるということなんです。
具体的には①の国民年金は約16500円(月額)支払うことで将来、国民年金がもらえます。
他方②の厚生年金は一番少ない給料(10万円と仮定)で算出しますと、約8,800円(月額)支払うことになります。※当然厚生年金の方は事業主が半分負担しますので、結局支払額は同じくらい(16500円)にはなるのですが・・・
この時点で、約半分で厚生年金の方は済むんですよね。でももらえる額が同じならつじつまは合うのですが、もらう額も厚生年金の方がはるかに多いんです。
理由は、国民年金は1階部分だけ受給、厚生年金は1階の国民年金と2階の厚生年金ももらえるんですから。
とっても不公平なことになりますよね。
今後、106万や130万の壁を超えて働く方が多くなり、60歳を超えて65歳まで国民年金に加入する方①、どこか勤めて(パート等)そこの社会保険に入り②のような形になる方が出てきます。
そんな時に①を選ぶでしょうか。
無条件で②ですよね。
こんなことがわかりきっているので、今回出てきた「厚生年金ハーフ」なんていう言葉が出てきています。これは大和総研が2023年の夏ごろ出した提案です。
「1.5号被保険者」と「2.5号被保険者」を作ってはどうかというものです。
以前から第3号被保険者という、保険料ゼロ円なのに年金がもらえる(保険料は払ったことにしている)ちょっと変わった仕組みがあるため(※昭和の妻は家庭で家事を行う・・・当時は制度的によかったのかとは思いますが・・・)出てきているものです。
つまり、先に書いた①の方たち、国民年金へ再加入(65歳まで)する方たちを「1.5号」へ。
②の方たち、もし3号被保険者などがなくなったと仮定するならその人たちも、つまり3号→「2.5号」へ。

週20時間未満の雇用者への適用拡大の方法としては、事業主のみに報酬の9.15%の厚生年金保険料を課す「厚生年金ハーフ」の提案があるが、第3号被保険者制度見直しの際の受け皿としては不十分です。そこで、新たに「1.5号/2.5号被保険者の創設」を提案する。具体的には、週20時間未満の雇用者のうち元第1号被保険者を、「1.5号被保険者」として扱い、報酬の18.3%(労使折半)の厚生年金保険料が国民年金保険料に満たない場合は労働者に差額の国民年金保険料の納付を求める。元第3号被保険者は、「2.5号被保険者」として扱い、厚生年金保険料が国民年金保険料に満たなくても差額の納付を求めないものとする。
こんな具合なのです。とっても難しいのですが、「第3号被保険者」という設定が必ずどこかで破綻してしまうと思われますので、不可欠な所かと・・・

大和総研は、次のようにも述べています。
第3号被保険者の範囲縮小と同時に「1.5号/2.5号被保険者の創設」も行う「超改革シナリオ」における就業への影響につき試算したところ、週20時間以上の労働者がベースシナリオ比で226万人増加する結果となった。一方、第1号被保険者数増加の影響は抑えられ、少なくとも現状より国民年金の財政が悪化しない結果となった。
試算からは、「1.5号/2.5号被保険者制度」を導入すれば、第3号被保険者制度を見直すための条件が整うことが示唆された。

ちょっと近未来的な提案ですが、どこかで1.5号、2.5号という言葉も出てくるかもしれませんね。

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