定期券を使って交通費をごまかしていた・・・
こんな質問を受けました。
「社員がひとり暮らしをすると言って、交通費の切り替えをしました。支給額も結構なもので、6か月で20万ほど。ただ色々と他の社員から話を聞くと、実家から通っているとのこと・・・実際の交通費も1/3程度のものだとか。すでに3年以上経ちます。この社員に対しては多く受け取っていた通勤費を徴収しその後処分を行う予定ですが、他の社員でも同様のことをしている人がいないかを心配しています。
どのように対応すればいいでしょうか・・・」
現実にけっこうある事例です。たまたま発覚したのでよかったですが、実は発覚していない事案も結構あるような気がします。
定期的な調査もしていないでしょうし、そもそもそんなことがあるとは思ってもみないかと思われますので・・・
ただ、この件は明らかな不正受給となりますので、余剰支給分の返還請求および御社の就業規則に則った厳正な対応をすべきです。
他の社員への影響もあるかと思いますが、通勤経路の明らかな虚偽申請による過剰な通勤費の受給に対して、他の社員が同様の行為を行うことを牽制し、ルールを遵守する意識を徹底させる上でも、御社規定に則った処分を確実に実施すべきでしょう。
その際、吊るし上げのような、後に禍根を残しうる対応は該当社員とのトラブルにも発展しかねないため慎重になる必要があります。
他の社員による不正受給の可能性ということであれば、全員を対象にした通勤経路のチェックの実施を検討するのもこの際すべきことです。
定期券のコピーをとり、申請された通勤経路との照合によりチェックを実施することで、不正受給のチェック、抑制が可能となります。
また、余剰分の通勤費の返還については、給与天引きによる方法がございますが、高額になりますので、全額返還が難しい場合、分割による返還等も考慮してください。
今後の糧とできることが何よりこの案件でで学べることかと思います。