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労働基準法【R7問4肢C】

【R7問4肢C】
労働協約によりストライキ中の賃金を支払わないことを定めているX社では日給月給制を採用しており、毎月15日に当月の賃金を前払いする(例えば、8月15日に8月1日から同月末日までの分の賃金を支払う)ことになっているが、所定労働日である8月21日から25日まで5日間ストライキが行われた場合、当該ストライキに参加した労働者の賃金について、使用者が9月15日の賃金支払いにおいて前月のストライキの5日間分を控除して支払うことは、賃金全額払原則に違反する。

× 労基法24条1項、昭和23年基発1357号
設問のような前月分の過払い賃金を翌月分で清算する程度は賃金それ自体の計算に関するものであるから、労基法24条(全額払の原則)の違反とは認められないとされている。

5つの最高裁判例を挙げておきます。
※判例慣れしておきましょう。
□ チェック・オフ(エッソ石油事件、平成5年3月25日最高裁判)
労働基準法24条1項ただし書の要件を具備するチェック・オフ協定の締結は、これにより、使用者のチェック・オフ(労働組合費の賃金控除)が賃金全額払の原則の例外とされ、罰則の適用を受けないという効力を有するにすぎないものであって、当然に使用者がチェック・オフをする権限を取得するものでないことはもとより、組合員がチェック・オフを受忍すべき義務を負うものではないと解すべきである。

□ 賃金に該当する退職金債権の放棄(シンガー・ソーイング・メシーン事件、昭和48年1月
19日最高裁判)
賃金の全額払いの趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるから、労働者が退職に際しみずから賃金に該当する退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、全額払いの原則が意思表示の効力を否定する趣旨のものであるとまで解することはできない。もっとも、全額払いの原則の趣旨とするところなどに鑑みれば、意思表示の効力を肯定するには、それが労働者の自由な意思に基づくものであることが明確でなければならないものと解すべきである。

□ 賃金全額払いの原則(福島県教組事件、昭和44年12月18日最高裁判)
適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、労働基準法24条1項ただし書によって除外される場合にあたらなくても、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば、同項の禁止するところではない。

□ 賃金全額払いの原則(日新製鋼事件、平成2年11月26日最高裁判)
労働基準法24条1項本文の定めるいわゆる賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるから、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することを禁止する趣旨をも包含するものであるが、労働者がその自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合においては、当該同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、当該同意を得てした相殺は当該規定に違反するものとはいえないものと解するのが相当である。なお、自由意思かどうかの認定判断は、「厳格かつ慎重に行わなければならない」としている。

□ 賞与の支給日在籍要件(大和銀行事件、昭和57年10月7日最高裁判)
就業規則に賞与については支給日に在籍している者にのみに支給するという支給日在籍要件がある場合には、支給日に在籍していてはじめて賞与請求権が発生すると解されるので、支給日に在籍していない労働者には賞与請求権は発生せず、労働基準法24条の賃金の全額払いの原則にも違反しない。

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