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佐藤なうsato-now

有休を退職前に消化する・・・みなし残業は支給するの?

多くの会社で取られている措置かと思います。
「有給」の本来の趣旨でいえば、退職時に消化する慣習はよろしくないのですが、余っている以上仕方のない所です。「有給」ですから、当然賃金が発生するのですが、もし「みなし残業」を採用している会社で、有給消化して退職する場合、みなし残業部分は支払う必要があるのかどうか。
こんな質問もよく受けます。1日も出勤しない月に(有休処理を行い)残業代を支払うのもおかしい気もしますが・・・

A、昭和27.9.20基発675号の通達では、有給休暇を取得した場合の賃金の取扱いについて、以下の3つの方法が定められました。
①平均賃金
②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
③健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の30分の1に相当する金額(労使協定必要)
この3つから採用します。
多くの事業所では②が採用されています。②の場合、上記通達において「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金には臨時に支払われた賃金、割増賃金の如く所定時間外の労働に対して支払われる賃金等は算入されないものであること」
とありますが、残業代とはいえ、みなし残業代は時間外労働の有無にかかわらず毎月定額で支給される手当で、労働者としては全日有給休暇で勤務実績がなくとも当然に支給されると認識していると考えられます。

また、就業規則等に「給与計算期間の全ての所定労働日について就労しなかった場合にはみなし残業代を支給しない」といった定めがあり、労働者に周知されていれば、みなし残業代を不支給とすることは可能ではありますが、
「使用者は有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」と定めた労働基準法第136条に反すると解される可能性があるため、全額支給するのが望ましいでしょう。

確かに、働いていないのに残業代・・・でも「みなし」をしている以上、勤務実績がなくても支払うべきものとも言えますからね。

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