052-908-4795
電話受付時間 平日9:00-18:00
佐藤なうsato-now

運送業、歩合制の導入

運送業の給与体系で「完全歩合制」とするところも少なくありません。
注意点を少しまとめてみます。
完全歩合制とは「フルコミッション制」とも呼ばれ、100%歩合給の仕組みです。 固定の給料がないため、仕事で成果が出なければ収入は完全にゼロとなるリスクがあります。
労働基準法第27条では「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」と定められており、社員やアルバイトなど雇用契約を結んだ労働者に対して完全歩合制を適用させるのは違法となります。
(個人事業主との業務委託契約であれば、完全歩合制は適用可能です)

歩合制を採用するのであれば、「①固定給+歩合給」あるいは「②歩合給(労働時間に応じた賃金保障あり)」のどちらかになります。
①の場合、固定給と歩合給の割合は自由ですが、歩合給が極端に少なくなった場合に最低賃金を下回っていないか注意が必要です。
②の場合の賃金保障額については、具体的な金額は法律では定められておらず、通達でも「通常の実収賃金とあまり隔てのない程度の収入」というような表現になっていますが、最低賃金を下回らない金額であることはもちろんのこと、労働者の最低限の生活を保障することを目的とした休業手当の金額(平均賃金の6割以上)が目安とされています。
 
①②どちらの歩合制の場合でも労働基準法が適用され、最低賃金や賃金保障額、割増賃金を計算するために労働時間をきちんと管理することが必要です。
制度を導入する場合には、制度の仕組みを従業員へ十分に説明すること、そして長時間労働にならないようきちんとした労務管理が必要です。

賃金の形態はそれぞれ一長一短がありますので、じっくり専門家と話し合いながら決定したいところです。
そしてそれを就業規則、賃金規程等に明記し、届出ること、従業員へ説明をすること、改訂の場合は不利益変更にならないような対応も不可欠です。

関連記事

健康保険の被扶養者の認定:労働契約内容によって年間収入を判定へ
令和8年4月から適用されます。 現状:被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)の年間収入については、現在、認定対象者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入の見込みにより判定している。いわゆる130万円の壁の…
①労働基準法が約40年ぶりに大改正??
1. 連続勤務の上限規制(14日以上連続勤務の禁止) 定期的な休日の確保を目的に提言されているのが、連続14日以上の連続勤務の禁止です。現行の労基法では法定休日として、1週間のうち少なくとも1日の休日を付与することが義務付けられています。ただし、業務の都合によ…
労働基準法が約40年ぶりに大改正??
今日から特集を組んで労基法の改正案を深堀りしていきます。 ※2027or2028年あたりに施行されそうなところです。 労働基準法が約40年ぶりに大改正されそうです。 2026年4月からは少し難しいのかな?と思っていますが、早ければ2027年4月より施行されるの…
CONTACT

お電話でのお問い合わせ

052-908-4795

電話受付時間 平日9:00-18:00

メールのお問い合わせ

お問い合わせ

24時間受け付け