もしものとき、あなたはAEDを使えますか。誰でもできる、3つのステップ
駅やショッピングモール、そして最近は多くの会社でも、AED(自動体外式除細動器)を見かけるようになりました。「見たことはあるけれど、使い方はわからない」という方、実は多いのではないでしょうか。
AEDは、心臓が突然止まってしまったとき、電気ショックを与えて、正常なリズムに戻すための機械です。心停止は、いつ、誰に起きてもおかしくありません。職場で、ご家族の前で、そんな場面に遭遇したとき、そばにいる人が最初の数分でどう動くかで、その後が大きく変わります。
先日、産経新聞で、こんな調査結果が報じられていました。大阪大学などの研究グループが、令和4年から5年にかけて、公共の場で心停止になり、市民が目撃した事案(総務省消防庁のまとめ)のうち、電気ショックの対象となる心室細動による心停止、3,838件を分析したところ、AEDによる電気ショックを受けた1,697件と、受けなかった人とで、その後の回復状況に、はっきりとした差が出たそうです。心停止から0〜4分の間に電気ショックを受けた人では、1か月後に脳の機能が良好な状態で生存していた割合が63.4%だったのに対し、受けなかった人は48.8%にとどまったとのことです。記事の見出しは「生存率に1.5倍の差」。AEDを使うかどうかで、これほどの差が出るのかと、あらためて驚かされました。
それでも、AEDの設置台数が増える一方で、実際の使用率は低迷しているといいます。「使い方がわからないから、ためらってしまう」という方も、多いのではないでしょうか。
実は、AEDの操作そのものは、特別な資格がなくても、誰でも行えます。機械の電源を入れると、音声が手順を案内してくれるからです。「使い方を覚えていないと使えない」と思われがちですが、実際には、機械の指示に従うだけで大丈夫です。
とはいえ、いざというときに落ち着いて動けるよう、大まかな流れを知っておくと安心です。今日は、誰にでもわかるように、3つのステップでお伝えします。
1つ目は、助けを呼ぶことです。倒れている人を見つけたら、まず大きな声で周囲に助けを求め、119番通報とAEDの手配を、ほかの人にお願いします。周りに誰もいなければ、自分で119番をしてから、AEDを探しに行きます。
2つ目は、胸骨圧迫です。反応がなく、呼吸が普段どおりでない場合は、すぐに胸の真ん中を、強く、速く押し続けます。目安は、1分間に100回から120回のテンポで、胸が約5センチ沈むくらいの強さです。これだけでも、救急車が来るまでの命綱になります。
3つ目は、AEDを使うことです。AEDが届いたら、電源を入れてください。あとは、音声ガイダンスがすべて教えてくれます。胸に貼るパッドの位置も、絵で示されています。「電気ショックが必要です」という案内が流れたら、周りの人に体から離れてもらい、ボタンを押します。ショックのあとも、音声の指示にしたがって、胸骨圧迫を続けます。
私は、AEDは「使えるかどうか」より、「そばにいる人が、ためらわずに動けるかどうか」が大切だと思っています。機械が手順を教えてくれる以上、一番のハードルは、最初の一歩を踏み出せるかどうかではないでしょうか・・・。
会社の中にAEDが設置されている場合は、設置場所を、従業員の皆さんで確認しておくことをおすすめします。いざというときに探し回らずに済むよう、日頃からの備えが、大切な命を守ります。



